2007年 05月 11日
ネパール・まじょりんぐ旅日記 vol.17〝タンカ〟衝動買い |
魔女1号は仏教寺へゆくたびにと何やら熱心に祈りを捧げている。どうやら仏教にハマッているらしく仏教のみならずヒンドゥーの神々にも詳しい。日ごろの悪事を懺悔しているのか?
彼女はネパールへ来たときから「マンダラがほしい」と言い、タメルでも画廊を覗いたりしていた。希望のマンダラ構図が頭にあるようなのだ。彼女はホテルの近くにある店をチェックしていた。店先で集中して仏画を描く姿が目に留まったらしい。彼女にくっついてこの店にお邪魔してみた。
店先で仏画を描いていたのは 『WANGYAL THANGKA ART GALLERY(ワンギィャル・タンカ・アート・ギャラリー)』 Wangyalさん。作品は全て彼の手書きによるものだ。作品の大きさによるが、一枚を仕上げるのに小さなもので1ヶ月から3ヶ月、大作になると数年がかりになるとゆう。ただし、同じものばかりを延々と描き続けるとゆうことは稀なようだ。描き始める前のキャンバスの作成だけでも2日掛かるとゆう。
〝タンカ〟と呼ばれるマンダラ画は細密に描かれたチベットの仏画のことで、繊細で美しい芸術作品は大変に高価で購入するにはちょっと躊躇してしまうほどだ。店内には障子ほどの大きさもある見事なタンカが飾られ、美しい小宇宙の世界に引き込まれてゆく。
仏画の知識がある魔女1号はWangyalさんに質問をしまくり、引き出しの奥深くから次々と出てくる作品に悩みまくっていた。タンカを購入する気など更々なかった私だが、少し心奪われる作品があった。日本の仏教といえば「質素・地味」とゆうイメージだが、暑い国の仏教は極彩色であっけらかんと解放的だ。はっきりした色合いが多い中、やんわりとした女性的な色合いのタンカに「ピッ」とアンテナが動いてしまったのだ。
「なんだか、我が家の和室のイメージにピッタリじゃない?」
こうして運命的に出逢ったタンカ〝VAJRASATWA〟は我が家にやってきてくれることになった。
さて、このWangyalさんにタンカの中心に描かれている仏様の名前をネパール語で書いてもらおうとお願いした。すると彼は困った様子で申し訳なさそうに言った。
「私は学校へ行っていないから字がうまく書けないのです。」
あ、そうか。この国の識字率は2001年の調査で50%程度、おそらく現在も60%未満と思われる。今では大勢の子供が学校へ通っているものの、この世代の人々は学校へ通えないことも多かった。日本で当たり前のように受けている教育の有難さをあらためて感じた。
「自分で勉強して少しは字が書けます。」と本を出して仏様の名前を書き写してくれた。
「タンカの絵はどこで勉強しましたか?」
「私のお父さんも、お爺さんもタンカを書いていました。だから私もタンカを書いています。」
なるほど、世襲絵描きファミリーとゆう訳だ。それでいてこの作品、伝承って素晴らしい。
店先に欧米系バイク野郎の写真が飾ってあった。オートバイの燃料タンクやヘルメットに描かれたマンダラのペインティングが見事だ。Wangyalさんはこんなチャレンジもしている新世代のアーティストなのだ。
この後、ほかの店でもいくつかのタンカを拝見したが心を動かされるような作品には会わなかった。このタンカ〝VAJRASATWA〟が飾られることを想像するだけで、我が家に幸せがやってくるような気がするのだ。
肝心の魔女2号、翌日2枚の作品を選び、同じく幸せな気分でポカラを後にしたのでした。
■WANGYAL THANGKA ART GALLERY(ワンギィャル・タンカ・アート・ギャラリー)
Address: Lake Side Baidam, Pokhara NEPAL
TEL: 9846021099(Mobile)
E-mail: wangyallama207@hotmail.com
彼女はネパールへ来たときから「マンダラがほしい」と言い、タメルでも画廊を覗いたりしていた。希望のマンダラ構図が頭にあるようなのだ。彼女はホテルの近くにある店をチェックしていた。店先で集中して仏画を描く姿が目に留まったらしい。彼女にくっついてこの店にお邪魔してみた。
店先で仏画を描いていたのは 『WANGYAL THANGKA ART GALLERY(ワンギィャル・タンカ・アート・ギャラリー)』 Wangyalさん。作品は全て彼の手書きによるものだ。作品の大きさによるが、一枚を仕上げるのに小さなもので1ヶ月から3ヶ月、大作になると数年がかりになるとゆう。ただし、同じものばかりを延々と描き続けるとゆうことは稀なようだ。描き始める前のキャンバスの作成だけでも2日掛かるとゆう。
〝タンカ〟と呼ばれるマンダラ画は細密に描かれたチベットの仏画のことで、繊細で美しい芸術作品は大変に高価で購入するにはちょっと躊躇してしまうほどだ。店内には障子ほどの大きさもある見事なタンカが飾られ、美しい小宇宙の世界に引き込まれてゆく。
仏画の知識がある魔女1号はWangyalさんに質問をしまくり、引き出しの奥深くから次々と出てくる作品に悩みまくっていた。タンカを購入する気など更々なかった私だが、少し心奪われる作品があった。日本の仏教といえば「質素・地味」とゆうイメージだが、暑い国の仏教は極彩色であっけらかんと解放的だ。はっきりした色合いが多い中、やんわりとした女性的な色合いのタンカに「ピッ」とアンテナが動いてしまったのだ。
「なんだか、我が家の和室のイメージにピッタリじゃない?」
こうして運命的に出逢ったタンカ〝VAJRASATWA〟は我が家にやってきてくれることになった。
さて、このWangyalさんにタンカの中心に描かれている仏様の名前をネパール語で書いてもらおうとお願いした。すると彼は困った様子で申し訳なさそうに言った。
「私は学校へ行っていないから字がうまく書けないのです。」
あ、そうか。この国の識字率は2001年の調査で50%程度、おそらく現在も60%未満と思われる。今では大勢の子供が学校へ通っているものの、この世代の人々は学校へ通えないことも多かった。日本で当たり前のように受けている教育の有難さをあらためて感じた。
「自分で勉強して少しは字が書けます。」と本を出して仏様の名前を書き写してくれた。
「タンカの絵はどこで勉強しましたか?」
「私のお父さんも、お爺さんもタンカを書いていました。だから私もタンカを書いています。」
なるほど、世襲絵描きファミリーとゆう訳だ。それでいてこの作品、伝承って素晴らしい。
店先に欧米系バイク野郎の写真が飾ってあった。オートバイの燃料タンクやヘルメットに描かれたマンダラのペインティングが見事だ。Wangyalさんはこんなチャレンジもしている新世代のアーティストなのだ。
この後、ほかの店でもいくつかのタンカを拝見したが心を動かされるような作品には会わなかった。このタンカ〝VAJRASATWA〟が飾られることを想像するだけで、我が家に幸せがやってくるような気がするのだ。
肝心の魔女2号、翌日2枚の作品を選び、同じく幸せな気分でポカラを後にしたのでした。
■WANGYAL THANGKA ART GALLERY(ワンギィャル・タンカ・アート・ギャラリー)
Address: Lake Side Baidam, Pokhara NEPAL
TEL: 9846021099(Mobile)
E-mail: wangyallama207@hotmail.com
by warau1116
| 2007-05-11 19:08
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